映画『はじまりのみち』(13日-15)
私の住む町では、月初めに「広報」が配られるのですが
今月の記事に木下惠介監督「生誕100年」を記念して
『二十四の瞳』の上映会が催される記事が載っていました。
監督のおじいさまが町の出身なんだそうです。
全くノーチェックだった『はじまりのみち』(公式サイト)ですが
「ご縁」を感じて、観に行って参りました。
【感動を与える事の出来る人】
6月1日 TOHOシネマズ名古屋ベイにて
大戦中、松竹映画の監督として、華やかにデビューした惠介でしたが
戦況の悪化と共に国民の戦意の高揚を目的とした映画の制作を
求められるようになり、軍の意に沿わない映画を作った惠介は
「次の映画の制作は中止」と、言い渡されてしまいます。
社に辞表を叩きつけて、本名である正吉に戻り
実家で生活を始めた惠介に、空襲が襲います。
病気で体の不自由な母親の療養先も危険だという事で
一家そろって、山間の村まで疎開することになるのですが
母には、悪路を乗合で走るバスは耐えられないと考えた惠介は
母をリヤカーに載せて山越えを決行すると言い出すのです。
兄とふたりで母のリヤカーを引いて押し
雇った便利屋との四人の旅は想像以上に辛く険しく…
表現は不器用だけど、愛情あふれる青年を
加瀬くんが情感を込めて演じています。
温かくて家族思いの兄を演じるユースケさんがまた、いいんです。
濱田くん演じる便利屋さんが、何とも言えないタイミングで
笑いを運んできてくれます、加瀬くんとの掛け合いも最高!
一番の感動をくれるのも「彼」です。
宿の一家が、またいいんですねぇ~
描かれているのは、ほんの数日の出来事。
時間にしても短く、セリフも最小限なのですが
惠介が撮った数々の作品が映し出されると
本編ののシーンとうまく頭の中でリンクして
惠介の人生の大半を知ることが出来た気がするのです。
人に感動を与えられる人は
ちゃんと素晴らしい人生を歩んでいるんですね~
(きっと原監督ご自身もそうなんでしょうね。)
家族や親への愛を見事に表現できる人は
家族や親からいっぱい愛を受けた人なんですね~
★★★★★(お気に入り作品登録)
『陸軍』と言う映画、未見ですが、映し出されたラストシーン
戦意高揚を目的とした陸軍から睨まれたのも、無理はないかと…
後半の映像シーンは、全編通して観たものは半分もないと
思うのですが、出演者を含めて懐かしかったです。
(「木下恵介アワーなどテレビドラマには、毎週親がチャンネルを合わせていました。)
今年は、新美南吉氏も生誕100年です。
短い大正の時代ですが、多くの偉大な方が生まれたんですね。
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» 映画「はじまりのみち」そんな時代もあった [soramove]
映画「はじまりのみち」★★★★加瀬亮、田中裕子、
ユースケ・サンタマリア、濱田岳出演
原恵一監督、
96分、2013年6月1日より全国公開
2013,日本,松竹
(原題/原作:はじまりのみち」製作委員会)
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あなたにとって、オールタイム・ベスト1の映画は何だろうか。
古今東西それぞれの映画にそれぞれの良さがあるので、一つに絞るのはなかなか難しいことだろう。
そこで私は久しく以前にオールタイム・...... [続きを読む]
お早うございます。
おっしゃるように、「描かれているのは、ほんの数日の出来
事。時間にしても短く、セリフも最小限」ながら、感動的な出
来栄えでした。
なお、「監督のおじいさまが町の出身」とありますが、父方だ
とすると、長部日出雄氏の評伝に、「木下治兵衛の三男とし
て生まれ、幼い頃に家運が傾いたため、小学校をやめて働
きに出た父の周吉」とあるので、この「木下治兵衛」が「おじ
いさま」になりますが(同評伝によれば、彼は「「仏の治兵衛」
と綽名がつくような温和な人柄」だったそうです)?
投稿: クマネズミ | 2013年7月 7日 (日) 07時33分
こんばんは~、いつも有難うございます。
コメントとトラバ、感謝です。
登場人物とキャストの魅力がキュッと詰まった
ステキな映画でしたね、旧作もすごく効いていました。
おじいさま情報も有難うございます。
木下治兵衛さんで検索したら、ヒット!と、思ったら
豊臣秀吉に行ってしまって、ちょっとアセッ
いくつかキーワードをプラスしたら
馴染のある地名などが出てきました。
この映画の中で、お父さんのお店が「尾張屋」だったと
ユースケさんが話す場面には、ちょっと膝を打ちました!
投稿: ほし★ママ。 | 2013年7月 8日 (月) 22時50分