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2012年6月26日 (火)

映画『星の旅人たち』(12外-22)

T0012924p 「四国八八ケ所」「西国三十三所」「知多新四国巡り」など

私のおばや友だちにも「納経帳」を携えて

巡礼している人が結構います。

車やバスで巡ってるんですけどね。でも、お参りをし終えた

「達成感」って言葉では尽くせないらしいです。 

予告を観た時、何かその「達成感」の

おすそ分けがもらえる気がして

『星の旅人たち』(公式サイト)を観て参りました。

 

 

【旅は道連れ、世は情け。】

6月24日 名演小劇場にて

 

眼科医のトムは、仲間とのゴルフの最中、息子の訃報を受け取ります。

妻の死以来、疎遠になっていた息子が

スペインの巡礼の「道」で、嵐に巻き込まれて亡くなったと言うのです。

 

哀しい対面、「なぜ?」「何の為に?」…問いかけても答えはありません。

眠れぬ夜、トムはいきなり担当刑事に亡骸の火葬を願い出ます。

遺骨の入った小さな箱を手渡されたトムは、聖地に向けて歩くと言い出します。

息子のウインドブレーカーにそでを通し

バックパックをを背負い、杖を手に歩き始めるのです。

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居ても立っても居られないトムの気持ちは

私にも息子が居るので、痛いほど伝わってきました。

でも、その「道」は、気が遠くなるほどの距離なのです。

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トムの重い心、そして「巡礼」という事で

ついついストイックなイメージを描いてしまいますが

聖地への道は、魅力に溢れていたりもします。

 

放牧された「ヤギ」の群れや、のどかな田園風景。

流れの急な川も、涼しい風を運んで来てくれそうです。

行く先々にある教会の佇まいも素敵だし

日本の御地蔵さまの様なもの?辻辻のモニュメントも暖かい。

泊まる場所も巡礼者向けのベッドがずらりと並んだようなところから

カード支払いのホテルもOK!もちろん野宿の準備も万端です。

 

歩いている人たちの目標も様々なんですねぇ。

初日に知り合ったオランダ人のヨストは、痩せる為に歩いていると言います。

と言いながら、行く先々でグルメに走ります。

ドラッグにも手を出して、不謹慎ったらありゃしない。

(あの憎きビュルマン後見人とは180度違う役、GOOD!) 

 

途中の宿で知り合ったカナダ人女性のサラは

タバコをやめる為にと言いつつ常にスパスパ。

そして、遅れて出会った文筆家は、アイルランド人のジャック

どこでもカードでさっさとお支払の彼は、トムの旅に興味津々です。 

 

いくつかのトラブルもありながら、旅を続けるうちに

4人はすっかり打ち解け、ある意味ファミリーのような存在になって行きます。

そして、ところどころに現れる息子と「同行二人」。

トムの表情がどんどん穏和になって行くのは

息子の気持ちに寄り添えたからでしょうか。

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四人、いや五人と見て、考え、笑って、涙を流して…

足腰の弱い私には、踏破はとても叶いませんが

この映画で、「達成感以上のモノ」を味わわせて頂きました。

 

★★★★★

エミリオ監督とマーティンさん、本当に良く似てらっしゃいますねぇ。

お顔だけでなく、その動作が見事にシンクロしている場面もありました。

 

逆縁と言う「最悪の親不孝」を描いている本作ですが

父方の祖父の故郷を舞台に、父の素晴らしい演技を撮った

エミリオ監督は「息子の鑑」ですね。

 

 

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コメント

外見は似ているのに、心が離れてしまっている父と息子。
ウチにも息子がるので全くの他人事ではないように思えて、切なかったです。
トムの表情の変化が良かったですね♪ 救われました。
それと、様々なお国柄、民族性がよく表されているのが面白かったです。
日本ではあまりお目にかかれない部分ですよね。

こにさん
こちらにもコメントとトラバを有難うございます。
 
こにさんも息子さんがいらっしゃるんですね。
やっぱり、これ親の立場で観ちゃいましたよね。
切なかったですよね。
 
どれくらい歩かれたのか、ラストにはしっかり日焼けして
名優さんだからこそ、親子だからこそのいい作品でした。

こんばんは!

親子共演良かったですね。息子が父親の代表作となる作品を監督。(素晴らしいですね!)

トムの道ずれになる3人もジプシー親子の関係も良かったですね。

それにしても800kmを踏破、凄いことですね。

地元で”知多新四国巡り”をされる方をよく見かけます。

コメント&TBありがとうございます。
こちらもTBさせて頂きました。

kunishima_303さん
こんばんは!
こちらこそコメントとトラバを有難うございます。
 
きっとお互いをすごく良くわかりあっている親子だからこそ
撮れた映画なんでしょうね。
登場する人たちのそれぞれのキャラが立っているのも良かったし
程よいリアルな感じも好きでした。
 
夫の実家のそばの寺も「知多新四国」のひとつなので
納経に訪れる方を、見かけます。
友だちからも進められるのですが
信仰心の薄い私の重い腰は上がらないんですよね

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