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2012年5月28日 (月)

映画『別離』(12外-17)

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大評判の映画『別離』(公式サイト)ですが

全く何の予備知識もないまま観て参りました。

 

ミニシアターだったので、チケット売り場でも

言う必要がなく、タイトルを何と読むのかも

公式サイトのローマ字表記「betsuri」で知った次第です。

   

 

【家族への思いは、みんな同じなのに…】

5月20日 名演小劇場にて

 

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娘テルメーの教育の為に、国外に出たいと考える妻シミン。

夫ナデルも最初は同じ考えでいたようなのですが

父が認知症に罹ってしまった為

家族で今の家に留まりたいと考えるようになり

離婚調停を受ける事になってしまいました。

離婚理由としては弱いという事で、結論は出ず

それでも、シミンは家を出ます。

 

父の世話をする人がいなくなった為

しかたなく、ラジエーと言う女性を雇う事になるのですが

勤務初日からトラブルが発生します。

父が失禁してしまい、いわゆる「下」の世話の必要が出来てしまうのですが

ラジエーは、敬虔なイスラム信者なので

近親者以外の異性のからだに触れることが禁じられているのです。

 

しかもラジエーは妊娠中、バスを乗り継いでの通勤もきつく

夫にも内緒の仕事を続けるのは無理と、一日で職を辞すことになります。

今度は男性をという事で、雇ったのが何とラジエーの夫。

ところが、急用ができてしまった夫

誠実で真面目なラジエー、結局また代わりに働くことになるのです。

そして、そこで、大きな事故が起こってしまいます。

  

私は、最初この映画を夫婦の「別離」の話だと思っていたので

妻が居ても、共働きの状態で、父はどうしていたのかとか

家族で国を出るなら、父をどうするつもりなのかとか

色々気になって仕方なかったのですが

全く違う話の筋に流れて行くにつれ

すっかりのめり込んでしまいました。

 

イランと言う国のある家族を描きながら

家族に対する万国共通、普遍の思いみたいのを表わしている人間ドラマ

でも、その中にもミステリー仕立ての伏線のように

前に起こったことが後に効いてくる演出なんですねぇ。

Betsuri02_2

守りたいものがいるからこそついてしまう嘘。

でも、その嘘も決してつき通せるわけではないんです。

結局一番大切に思っている存在に、間違いを気付かされる…

 

子を思い、親を思い、夫を思い、妻を思い…

なのに、何でこんな事になってしまうんでしょう。

ラストは本当に切ないです。

 

★★★★☆

不謹慎ながら~

色や柄や微妙な長さ、 シミンの髪を隠す布がステキで

SATCの隠れオシャレなイスラム女性集団を思い出しちゃった!

 

 

 

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コメント

名演小劇場、19日の土曜日に行きましたが、結構混んでいて嬉しかったです。
毎度、スタッフの方がパンフレットの購入をさかんに勧めてらっしゃいますよね。
こういう素晴らしい映画を上映してくれる場所が無くなっては困るので、たまに買っています。

こにさん
こんばんは~。
いつもいち早く記事を見つけて頂いて有難うございます。
コメントとトラバにも感謝です。

名演小劇場にドンピシャの映画でしたよね~
ここのスタッフの方々、みなさんとても感じよくて
見応えのある映画が掛りますよね。
なるほど~私もパンフレットで協力しなくちゃ!
いつも、お茶をよばれているし…
  
私は膝が痛いので、ここの3階(実際は4階?)に
上がれる体力だけは、キープしないとと思っているの。

これは凄かったですね♪
めちゃくちゃ食い入るように観ました。

嘘、その嘘に付随する弱さ、その嘘ををつくことになった根本的な想い…
それらが複雑に交錯しながら、色濃くなっていくドラマ。
ちょっとしたズレ、ヒズミから生れる、どうしようもなく噛み合わない人間たち。
その描写が素晴らしすぎる!
無常観、不条理が圧倒的に襲ってきますね。

ラストシーンのカット構図も絶妙に全てを表現していて、すごかったです。

ミヒャエル・ハネケっぽい。
エグくないハネケって感じがしました。

そして、アスガー・ファルハディ監督の新作も楽しみです♪
マリオン・コティヤールにタハール・ラヒム(←この人、新人離れしています。イチオシです)
これはゾクゾクします!

デンさん
こちらにもコメントをどうも有り難うございました。
 
この映画には本当にしてやられたと言う感じ。
普通に場面が変わるので、気に留めてもいなかったら
余韻のように、伏線のようにドンドン後で効いてくるんですよね。
 
本質的に善良な人たちがつく哀しい「嘘」
切なかったです、結局テルメーは何を選択したのかな
このラストは秀逸でしたが、ちょっと知りたい気もしました。
 
ハネケ監督、以前にもデンさんにお薦めいただきましたが
まだ観た事がないのです。
と、アスガー・ファルハディ監督は前作もすごい評判なんですよね。
新作も楽しみですが『彼女が消えた浜辺』もみてみようと思っています。
 
そうそう!デンさん、『孤高の王』ご覧になったんですね。
こちらは、今月公開なんです、今一番楽しみ♪

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