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2011年11月13日 (日)

『ハラがコレなんで』

石井監督の長編デビュー作の『川の底からこんにちは』が、とにかく好き♪

『あぜ道のダンディ』は、夏の公開で、日程が取れずに見逃してしまったので

『ハラがコレなんで』 (公式サイトは、何としても観たいと思っていました。

【妊婦には、お昼寝が必要なんです。】

11月12日 センチュリーシネマにて

原光子…金なし、夫なし、ハラがコレ。

光子の判断基準は「粋」か「粋でないか」

そして、物事を決めた時は「OK!」「LET'S GO!」

決められない時は、いい風が吹くまで昼寝をします。

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都内で一人暮らしをしていたようですが、身辺をサッパリ整理。

…と言うか、実は生活に行き詰ってしまったって事なんでしょうが

光子は、全くそんなそぶりは見せません。

あくまでも前向きに、風の流れに乗ってやってきたのは

都会の中にポツリと取り残された8軒(?)長屋。

いきなり、一軒の家にズカズカと上がり込みます。

光子の一連の行動の意味は、15年前に遡った場面で説明されます。

両親が事業に失敗し、逃げ込んだ長屋

過ごしたのは長い時間ではなかったようですが

そこの大家さんから、「粋に生きる」事を学んだ光子。

そして舞い戻ってきた場所は、その大家さんち。

長屋には、他に一組の住人が残っているだけです。

客足の遠のいた食堂をやっている男二人…

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妊娠9か月、私はどんな事を考えていたかなぁ~と、思い返しました。

それはもう、頭の中は生れてくる子供のことでいっぱいいっぱい。

体はきつくて、自分のことしか考えられなかった。

なのに、光子は、随分と余裕をかまして人の世話ばかり焼いています。

タイトルが出るまでがかなり長いのですが

その中で、光子が吐いているシーンがあって

「いくら何でも9か月で悪阻はないぞ!」と、突っ込んだんですが

それに関してもちゃんと産科医の話から説明されます。

実は、光子はしんどいのだと気付きました。

寂しいとも思っているし、誰かに頼りたいのかも知れない。

でも、それをおもてに出すのは「粋」じゃないんですよね。

だから、光子はおせっかいを焼く、そこに光子の夢があるから。

そもそも「粋」と「粋じゃない」も

光子の「したい」か「したくないか」なんですよね。

考える時間が欲しい時は、風を待ったり、昼寝をしたり。

実際、妊婦には昼寝は必要ですからね。

いっぱいいっぱいでは「いい考え」も、浮かびません。

家の中はもちろん、人の心の中にもズカズカと入り込む。

出掛けると言えば、何しにどこへ行くか~

根掘り葉掘り聞かれる時代に育った私には

平成の時代にも、ひとりくらいいてもいいじゃん、光子!と思えるお話でした。

『川の底からこんにちは』は、あの社歌がすごいインパクトで

一気に作品の面白さを上げてしまった感がありましたが

今作は、そこまでいかないものの、大笑いしてしまいました。

ホロッと、してしまうシーンも何か所かあったし

仲ちゃんが、とにかくすごく良かった、「粋」だった。

蒼くんも凌さんも、こういう「ちょっと不器用な人物役」が、よく合いますね。

そして、何と言っても稲川実代子さんが素晴らしすぎます。

「大家さん、前はしじみ工場で働いてましたよね」って

声を掛けたくなりましたよ。

と、おしんの旦那さん(役)だった並樹史朗さんも結構好きです。

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エンディングもウマイなぁ~、いい風を感じることができました。

★★★★☆

監督、次作は「是非、奥さまを撮ってください」

仲ちゃんもまた観たいし、もちろん稲川さんも~今後に期待の☆プラス

* 気になった予告 *

指輪をはめたい (公式サイト) 

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私的には、「秋のコメディは、山田くん♪」

モテキ記憶喪失版?かな、楽しみです。

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コメント

不思議なタイトルだなあと思っていたのですが、お話も不思議系(現代のファンタジーという意味で)なのですね。
そういうお話なのですか。
確かに妊娠9ヶ月で人の世話を焼くのは無理だと思う。
思うけど、そういうお節介な人がいてもいいんじゃないかと想像したり。
映画には夢が必要ですよね

ゆうりちゃん
こんにちは~、コメント有難うございます。
ちょっとご無沙汰でしたが、お元気でしょうか。
 
はい!そうですね、現代のファンタジーです。
何でも引き受けてなぜか導いてしまう、妊婦ヒーロー。
私は、すっかり応援してしまいました。

今は、妊婦体験用の装具みたいのがあるでしょう
場面によっては使っていたんじゃないかな
そっちの演技派、なかなかリアルでした

ごらんになりましたか~
面白かったですよね、。

私は 珍しく試写で観ることができ・・・
続編も観たいものだと思いました。
監督さん交えてのティーチインつきで、
ママちゃんがいらしたら きっとツボな質問されてただろうと思います。
キャストの石橋さん 並樹さんのお二人は ノリノリ♪だったそうです^^
特に並樹さんのノリは尋常ではなかったとのこと・・oh!
出演者が楽しんで演じてる映画てのは こっちも楽になるような。
監督さんいわく、「ヒットすれば続編ありです」と仰ってたので、
ヒットしてほしいです。
ほんとに
暗い世の中、オッケイわかった、と言ってくれるひと、、、望まれます。

まふゆちゃん
いつもどうも有り難うございます。
確か『川底』の時も、コメントをもらいましたよね
 
まふゆちゃんは、レビュアー試写会だったんですね。
ティーチインって経験ないんですよね、うらやましいなぁ。
並樹さん(名前を間違えていました、お詫び&訂正)と凌さん
どんな「ノリノリ」ぶりだったんだろう~気になります。
 
真冬ちゃんのレビューの「粋」についての考察~
すっごくよかったわぁ、そうそうそうなんだよね、って
お茶を飲みながら光子について語りたくなりましたよ。
ヒットすれば、続編かぁ。期待したいと思います。

仲さんが良かったのは、今時、自信があろうがなかろうが、人に向かって「OK」と言い切れる人は中々いないから。気持ち良かったですね。

ふじき78さん
光子は、あの長屋同様、今どき珍しい存在ですね。
全く何の根拠もないとわかっていても
あれだけ自信たっぷりに「OK!」と、言われれば
ちょっと縋ってみたくなる気もします。

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